14日 と 20日
退職日の翌日から、何に入るのか
保険証を返したあと、健康保険の側には何も残りません。 代わりに入るものを自分で選ぶことになりますが、選択肢ごとに根拠になっている法律が違い、期限も違います。 国民健康保険は14日、任意継続は20日。 先に来るのは14日のほうで、迷っている間もそちらは進みます。
期限が違うのは、条文が別だからです
| 選択肢 | 期限 | 根拠 | 出す先 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 14日以内 | 国民健康保険法施行規則 第3条 | 住所地の市区町村 |
| 任意継続被保険者 | 20日以内 | 健康保険法 第37条第1項 | 保険者(協会けんぽ・健康保険組合) |
| 家族の被扶養者になる | 当サイトでは出しません | 日数を定めた条文を一次データに含めていないため | 家族の勤め先/その保険者 |
3つ目を空欄にしているのは、調べていないからではありません。 被扶養者の認定は保険者ごとの手続きに委ねられている部分が大きく、「◯日以内」と一律に定めた条文を当サイトの一次データに入れていないためです。 ここに数字を書くと、根拠のない期限を自分で作ることになります。 扶養に入る予定がある方は、家族の勤め先か、その健康保険組合・協会けんぽに直接ご確認ください。
国民健康保険 —— 資格は届出より先に始まっています
都道府県の区域内に住所を有する者は、当該都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険の被保険者とする。
国民健康保険法第5条です。住所があれば被保険者になる、という組み立てになっています。 ではなぜ在職中は国保に入っていないかというと、次の第6条が適用除外を並べていて、 その第1号が「健康保険法の規定による被保険者」だからです。
都道府県等が行う国民健康保険の被保険者は、都道府県の区域内に住所を有するに至つた日又は前条各号のいずれにも該当しなくなつた日から、その資格を取得する。
第7条により、資格を取得するのは「前条各号のいずれにも該当しなくなつた日」、 つまり健康保険の被保険者でなくなった日=資格喪失日です。 届出をした日ではありません。資格そのものに空白期間は生じないという建て付けになっています。
法第六条各号のいずれにも該当しなくなつたため、被保険者の資格を取得した者があるときは、その者の属する世帯の世帯主は、十四日以内に、前条第一項各号に掲げる事項(被保険者の資格を取得した者の現住所及び従前の住所を除く。)を記載した届書を、当該世帯主が住所を有する市町村に提出しなければならない。
そのうえで、届出は14日以内です。届出が遅れても資格の開始が遅れるわけではありませんが、 手元に資格を示すものが無い状態が続きます。 なお届け出るのは本人ではなく世帯主だと条文は書いています。
任意継続 —— 20日を過ぎると、保険者の判断になります
第三条第四項の申出は、被保険者の資格を喪失した日から二十日以内にしなければならない。 ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。
健康保険法第37条第1項です。申出は資格を喪失した日から20日以内。 ここも起算日は退職日ではなく、その翌日です。
ただし書に「保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、 受理することができる」とあります。受理するかどうかを決めるのは保険者で、 本人に受理を求める権利があるわけではありません。20日は動かせる前提で考えないでください。
同条第2項にはもう1つ落とし穴があります。 「最初に納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、 その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす」。 申し出ただけでは終わらず、最初の保険料を期日までに払って初めて成立します。
任意継続と国民健康保険のどちらが自分にとって安いかは、前年の所得や扶養家族の人数で変わります。 金額の比較は 退職後の健康保険ナビ で扱っています。当サイトは期限だけを扱います。
このページの条文はすべて 2026-09-06 に e-Gov法令検索の法令APIから取得したものです。 国民健康保険法第6条の適用除外の全文(第1号〜)は こちらで確認できます。